軍事費を増やすことがなぜ問題なのか

日本は近年「防衛力の抜本的強化」を掲げて「防衛費」すなわち軍事費を増やし続けています。今年末の安保3文書改定にあたっても、軍事費のさらなる拡大が定められる見通しです。「国の防衛のためにはやむを得ない」という人や、むしろ「防衛産業を成長産業に」することで経済効果を期待する人もいるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか。
川崎哲 2026.10.13
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SIPRI Research Policy Paper, "Rebalancing Military Spending Towards Achieving Sustainable Development" November 2025

SIPRI Research Policy Paper, "Rebalancing Military Spending Towards Achieving Sustainable Development" November 2025

軍事費についての批判的な研究の一つに、2025年11月にストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が出した政策調査論文「持続可能な開発の達成のために軍事支出のバランスを取り直す」(Nan Tian and Xiao Liang)があります。その概要は、以下のようなものです。

世界的な安全保障環境が悪化するなか、2024年の世界の軍事支出は2兆7000億ドルに達した。この急騰と同時に起きているのは、国連持続可能な開発目標(SDGs)達成への歩みの低迷である。国家による軍事支出は、その国の持続可能な開発に対して大きな悪影響をもたらしうる。それは、資源を社会保障支出からそらし、経済成長を遅らせ、不平等を拡大し、温室効果ガスの排出を通じて気候変動を助長することによってである。

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