「日本が原子力潜水艦を保有」って、本気ですか?

10月5日に始まる臨時国会では、年末の安保3文書改定に向けた諸問題が議論されます。そのなかで、非核三原則と並んで焦点になるのが、原子力潜水艦(原潜)をめぐる問題です。「日本も原潜を保有すべきだ」という主張が、与党から出ているからです。問題点を整理します。
川崎哲 2026.10.05
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原子力潜水艦(原潜)とは、原子力を動力とする潜水艦のことです。艦内に原子炉があって、それで電力を起こして航行します。それ自体は核兵器ではありませんが、核兵器と密接に結びついています。原潜は、核兵器(核弾道ミサイル)を搭載して潜航する「戦略原潜」と、敵艦艇との交戦を任務とする「攻撃原潜」とに大別されます。後者には、魚雷や通常型の巡航ミサイルなど、核ではない兵器が搭載されていることが一般的です。現在のところ原潜を保有しているのは、核兵器保有国だけ(米ロ英仏中印の6カ国)です。北朝鮮も開発中です。非核保有国としては、オーストラリア(豪州)、韓国、ブラジルが、原潜の保有計画をもっているあるいはそれに関心を示しています。

昨年(2025年)9月に防衛省の有識者会議は、潜水艦について「次世代の動力の活用の検討も含めた研究・技術開発」を提言しました。「次世代の動力」という表現で「原子力」とは明示していませんが、他の動力が想定されるとも考えられませんので、原子力のことを婉曲的に表現したものといえます。安保3文書改定に向けた今年6月の提言では、自民党は「次世代の動力の活用を含め…速やかに検討」とし、維新の会は「原子力潜水艦」を明示的に強く提言しました。しかし本気で原潜を導入するとなれば、安全保障と原子力の両面において日本の基本政策の大転換を意味し、国際的な影響も甚大です。

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